以前から、ケーブルを収集し、聴き比べておりましたが、思ったより比較のパターン数が多くなり、全てのネタを文章化することが困難であるため、取り急ぎ「ポエム図」というものを用いて、ニュアンスだけでも表現したいと思っていました。
最初は見慣れないと思いますが、見慣れてからは効率よく情報を得ていただけるかと存じます。
こちらでは上の「ポエム図」で表現される6つの観点について、それぞれ何を意味するのか、説明を試みます。なお、これらの観点は、客観的にどうのこうのというよりも、当方がケーブルに期待する役割を洗い出したものです。予め、ご了承ください。
音の立ち上がりと立ち下がりがいかに「もたつかないか」に関する項目です。ものの喩えですが、音圧で後方に吹っ飛ばされたかと思いきや次の瞬間には引き戻されているような感覚であれば高評価です。キレやアタック感に類似の概念ですが、小気味よく刻むように鳴らせば高評価というわけではないのは、異なる点です。
いかに「低音が膨らむ、高音が煩い、中音が目立つ、etc」によるアンバランスが小さいかについての項目です。
いかに「ながら聴きの音量でも、微弱な高音や、低音の階層が明瞭か」に関するの話です。
特定の中高音がどこに定位するかについてのA/B比較を繰り返しつつ、右寄りの音ならより右に、左寄りの音ならより左に、そして、全ての音についてどれくらい後方に定位するかを確認し、それをもとに音場の広さを評価したものです。ここで言う中高音とはたとえば、"Hotel California"("Hell Freezes Over"収録のLIVE音源)のギターorマラカスなどを思い浮かべていただくとお分かりいただきやすいかと存じます。
いかに「音の生気、熱気、生命感といわれる要素を再現するか」に関する項目です。こう言われて「何のことやら?」となる方はFM Acousticsのアンプの出音を思い浮かべてくださいますと幸いです。
音量を上げても、特定の帯域が煩くならず、ノイズフロアに邪魔されず...etc。総合評価に近い項目です。
上記の6つの観点は、筆者が機器に対して望む要素のうち代表的なものです。また、筆者の現環境でこれを満遍なく満たすシステムは
Magico Q5 を Spectral のモノラルパワーアンプ DMA-400RS でドライブするシステム
で、その音をひとつの目安とし、ある機材が何を満たし、あるいは何を満たしていないのかを可視化したのが「ポエム図」です。
なお、これら6つの観点は、網羅的ではありません。よって、この観点のみでケーブルそのものの優劣を語るのはNGです。(重要)